2018/12/27
新年の時報コレクション -平成最後の年越しにむけて-
ピッ、ピッ、ピッ、ポーン!
こんにちはムネザワです。
いよいよ平成も最後の年越しを迎えるわけですが、久しぶりに「時報」を録音しようと思っています。
録音するのは「平成最後の新年の時報」、そして「平成が終わる瞬間の時報」です。
自分は長年にわたって音楽とともに「歴史的音源」を集めてきました。
だいたい話し言葉による音源が多いのですが、歴史的な政治家の演説、戦前の日常会話、売り子の掛け声、大本営発表、ニュース音声、泡沫候補の政見放送、警察が公開した脅迫電話など、自分のツボにハマったものはどんどん時系列で収集しています。
古いものではフランスのレオン・スコットが「フォノトグラフ」という装置に波形として記録したものを復元した「記録された最古の音(1853-1856)」、ロンドンの水晶宮で上演されたヘンデルの「エジプトのイスラエル人」は現存する最古の音楽録音(1888)です。さらにパリ万博で人類学協会が録音した「日本人最古の肉声(1900)」なんていうのもあります。
新しいものでは「M1グランプリの夜に、とろサーモン久保田がインスタライブで配信した問題の発言」、「TBS”警察24時”で小田原厚木道路で速度違反で捕まった車の同乗者と警察とのナイスな会話」「天皇陛下の誕生日記者会見のおことば」などがあります。こういうのを動画ではなく、音声だけ抜き取って集めています。
そうしたコレクションのひとつに「時報」があります。長年カセットテープに録りだめてきたものばかり。2015年に茅ケ崎で「27時間ツイキャス BuzzTime27」というイベントに出演し「時報コレクター」として熱いトークを繰り広げた事もありますよ。
そんな中から「時代の瞬間を切り取った音」をご紹介しましょう。
【時報コレクション Vol.1】 1980年1月1日の時報
当時、NHKのTV音声を受信できるカセットテープレコーダーで録音したもの。1970年代最後の瞬間です。
この時代、ビデオデッキは「高嶺の花」でした。大金持ちの友人の家に押しかけて「昨日の石野真子が見れる」事に感動していた時代です。
しかし「音」で記録しておいた事の意味がこれを聞いて頂くとわかると思います。映像と切り離された「音」は、映像以上に想像力を膨らませ、かつ時代の空気を切り取っています。
【時報コレクション Vol.7】 1989年1月1日の時報
1980年代最後の瞬間であるとともに、昭和最後の新年の時報です。
詩の朗読がいいですね。
【時報コレクション Vol.8】 昭和から平成への瞬間(1989年1月8日の時報 )
その8日後に録音した、平成の瞬間です。
この時に生まれた赤ちゃんたちが、もう20代最後の一年を迎えるわけです。しかもスタッフにもいたりします。
こうやって聞いていると、A(ラ)の音による時報そのものは変化していませんが、この40年で「話し言葉」は形を変えていることがわかります。
ちなみに私は仕事がら、年に3回だけ117の時報を確認します。
ライブでは複数台のカメラで撮影を行うのですが、すべてのカメラの時刻を秒レベルでピタリと時報にあわせます。
実はカメラが内臓している時計って、3か月も放置しておくと1~2分ぐらいズレてくるんです。これをピッタリ同期させるわけです。
そして、撮影後に画像のファイル名を「撮影時間+整理番号」に変換すると、何台のカメラで撮影した画像でも、ズラリと撮影順にソートできるわけです。
スクール・ライブののリハーサル時に私が時報を聞きながらカメラを操作しているのは、そんな理由からでした。
それでは新年の時報を楽しみながら、よいお年をお過ごしくださいませ。
最後におまけ。
【時報コレクション Vol.10】 ラジオ放送初期の時報 Ver.1
1925年から1932年まで使用されたラジオ時報です。