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東日本大震災から5年目をむかえて

本日、東日本大震災から5年の歳月が流れました。
「十年ひと昔」という言葉がありますが、だとすれば「むかし」と語るのにふさわしい時間のうち、半分が流れたことになります。

5年という歳月は一瞬であったようにも長い時間だったようにも思えます。
被災地の方々にとっても忘れるには短く、その一方で気の遠くなるような重くて長い時間であったのと一緒です。
何かそういった相対的な印象を持てる時間というのが「5年」という歳月であり、ここから先は絶対的な時間の流れの中でどんどん忘却されていってしまうようにも思えます。
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(2011年3月16日「こういう時だからこそ歌いましょう!」)

しかし、あの地震により1万6千名近い尊い命が亡くなり、2千5百名以上の方が行方不明となったという事実があり、今なお18万人の方が避難所生活を強いられているという現実があります。

幸いにも生を得た私たちは絶対にそれを忘れてはいけないし、そこから目を背けてはいけないと思います。亡くなられた方々には心より哀悼の意を表すとともに、被災された方々が幸福に暮らすことのできる社会、環境、そして何よりも心の安寧を取り戻されることを心よりお祈り申し上げます。
東日本大震災被災時計
(震災で落下したために、止まってしまった教室の時計です。今でも大事に保管してあります)

震災発生直後、私どもはこのお知らせで呼びかけました。
こんな時だからこそ歌おう」と。
いま自分ができることを一生懸命やろう、そこでベストを尽くそう、と呼びかけたのです。

幸いにも休むことなくレッスンを続けてきた教室には、震災直後にはレッスンのキャンセルが相次ぎましたが、2~3日すると生徒さんが歌を習いにどっと戻ってきました。「歌わなきゃやってられないよ」とか「何かしないことには気持ちが重いから」とか理由はまちまちでしたが、私どもは皆さんにレッスンすることで、逆に元気を頂いていたのかもしれません。

そうした中で、何人かの生徒さんが被災地を訪れ、被災された方々に歌を伝えたこともありました。そして私どもも主催や共催の形で様々な復興支援イベントに関わり、歌声で被災地を応援して参りました。そしてもっと目に見えない部分….教室に来てレッスンで歌うことで、気分を新たにした大勢の方々….この方々の日々の平凡な活動そのものが何よりも明日の活力につながっていったと私どもは確信しています。「いま自分ができること」にベストを尽くすという基本的な行為にどれだけ意味があり、どれだけ効果があり、どれだけ美しいのかを思い知らされたのが、まさにこの5年という時間でした。

「こんな時だからこそ歌おう」。
この言葉は今でも生きているし、これからも生かしてゆきたい言葉です。
そして、私どもは「いまできること」にベストを尽くします。
すべての生徒さんの歌の上達を第一とし、音楽を通して人と人がつながることを常に願いながら、社会に貢献する企業づくりをさらに進めて参りたいと思います。

平成28年3月11日
株式会社ミューズポート/ミューズポートボーカル教室 スタッフ一同

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